エリア特集
エリア特集
東海道横断特集
- 旅行プラン
-
旅行プラン


愛知の旨いものに、最近、養殖魚が加わった。
絹姫サーモン、ウナギ、アユ・・・・・・味はピカイチ、生産量でも他を圧倒。
国内最大級のおもしろ商店街・大須を歩き、おいしい養殖文化探訪の旅へ。
- 石原基次さん(右)と、
30年近く大須に暮らすアメリカ出身の大須案内人、カーター・スティーブンさん
“ごった煮” が楽しい巨大な大須商店街
せっかく名古屋を訪れるなら、国内屈指の元気な商店街、大須商店街に立ち寄るといいと教えてもらった。大須2丁目から3丁目界隈の商店集積地のことで、地図を広げると縦横無尽に大小の通りが延びていて複雑。ここはひとつ “助っ人” の力を借りるほうが町歩きを満喫できそうだ。


これは必食。コンパル大須本店の
エビフライサンドと
アイスコーヒー


名古屋の喫茶店を代表する、
喫茶コンパル大須本店
「大須はごった煮の街と呼ばれているんですよ」と石原さん。老舗の菓子処に家電店、サブカルチャーの雑貨店、古着店、多国籍料理のレストラン……。さらに由緒ある神社仏閣や、大須演芸場まで。純喫茶もあれば、メイド喫茶もある。多種多様な1200もの店舗や施設が混在しつつも調和し、街は活気にあふれている。


石原さんご夫婦が切り盛りする、
みやげ店
「大須おみやげカンパニー」


福を呼んでくれそうな
新彫金マグネット。
大須おみやげカンパニーにて


大須観音として知られる北野山真福寺寶生院。
取材の間も訪れる人が絶えない


繁華街のエアポケット、那古野山古墳。
石原さんはなぜかたぬき山と呼んでいた
商店街のなかには古墳まであった。今では高さ3メートルほどの円墳状にしか見えないが、約1500年前にできたと推定される前方後円墳、那古野山(なごのやま)古墳である。
ほかにも、徳川家や織田家ゆかりの寺社など、歴史ファンにはたまらないスポットも点在する。
と、ありとあらゆる店が林立する商店街にあって、とくに個性が強い通りに出くわした。仁王門通りはういろうで名高い青柳総本家の本店や大須ういろ本店といった歴史ある老舗が並んでいる。そのなかの1軒に1921年(大正10)創業の手焼きせんべいの店、朝日軒があった。店舗の奥で作られる昔ながらの玉子せんべい1枚1枚に、アユや桜、モミジなど風物詩の焼き印が押してある。焼きたてをいただくと、素朴で懐かしい味がした。
同じ通りにある新雀(しんすずめ)本店では、店先で焼くみたらし団子に人だかりができている。40年以上継ぎ足しているという醤油ベースのタレをつけては焼きを繰り返す。ほどよい焦げめが香ばしく、ペロリと平らげてしまった。
老若男女に根強い人気の新雀本店。
みたらし団子のほか、きなこ団子もある懐かしの手焼きせんべいを売る朝日軒
焼き印の種類が豊富で、
好みのデザインで注文できる
石原さんといっしょに町歩きをしてはや3時間。お腹も満たされ、あっという間に時間が経ってしまった。まだ訪れたことがない人は、一度「ごった煮の街」をとことん体感してほしい。
仁王門通りに連なる東仁王門通り
東仁王門通りで突如現れる
「箪笥(たんす)のばあば」。
触ると着るものに
一生困らないのだとか李さんの台湾名物屋台本店の
台湾唐揚げ。ボリューム満点!商店街で見つけたかわいい
ハワイアン調のグァバジュース
-
■ 喫茶コンパル 大須本店
052-241-3883 名古屋市中区大須3-20-19 時8時~21時 *モーニングサービスは8時~11時 休無休
-
■ 大須おみやげカンパニー
052-228-0267 名古屋市中区大須2-18-20 時10時~18時 休水曜(ただし祝日と8の付く日は営業)
-
■ 北野山真福寺 寶生院(大須観音)
052-231-6525 名古屋市中区大須2-21-47
-
■ 朝日軒 観音店
052-231-5233 名古屋市中区大須2-18-47 時8時30分~19時 休水曜(祝日、縁日の場合は木曜)
-
■ 新雀本店
052-221-7010 名古屋市中区大須2-30-12 時13時~19時 休不定休
-
■ 李さんの台湾名物屋台 本店
052-251-8992 名古屋市中区大須3-35-10 時12時~20時(土・日曜、祝日は11時~) 休不定休
未体験のおいしさ 絹姫サーモンの秘密
出迎えてくれたのは常務取締役の森朝奈(あさな)さん。幼少のころから魚が大好物で、家業に入ったという。「初めて口にしたとき、もっちりした食感と上品な脂のりに感激しました」と森さん。百聞は一食にしかずとばかりに、さっそく併設の「魚屋の台所 下の一色本店」で刺身をいただくことに。口あたりのよい肉質で旨味が濃く、養殖魚にありがちな脂臭さがない。なるほど、従来のサーモンとは違ったおいしさだ。


森朝奈さん。スモークサーモンの
開発を指揮した


寿商店併設の「下の一色本店」で
食べられる絹姫サーモンの刺身と
にぎり寿司


愛知県設楽町の風光明媚な
山間にある絹姫サーモンの養殖場
(写真提供:寿商店)
寿商店が展開する7店舗では刺身やにぎり寿司、低温の煙でいぶしたスモークサーモンやそのカルパッチョが味わえる。地元のみならず、全国にこのおいしさを広めていきたいと森さんは熱く語ってくれた。
-
■ 魚屋の台所 下の一色本店(寿商店併設)
052-269-3251 名古屋市中区新栄1-49-18 時11時30分~14時、17時~23時 *日曜・祝日は夜のみ営業(17時~22時30分) 休不定休
一色ウナギを香ばしい蒲焼に
代表の長坂和徳(かずのり)さんのモットーは「ウナギにとって限りなく自然に近い “寝床” をつくりだすこと」。ハウス内の池に入れる土は、ミネラル分の多いもの、鉄分を含むものなどを厳選し、天日干しにして殺菌した上で池底に敷き詰めている。また、ウナギが吸収し養分の抜けた土を5年ほどの周期で入れ替えるのも大切な作業だという。


脂がのるまで成長したウナギ。
一色の各養鰻場では
矢作川水系の清流を利用している


長坂養鰻場の長坂和徳さんの
ご子息・英徳さん(左)、
カネナカ社長の中村貴洋さん
そんな長坂養鰻場が手がける高品質のウナギを一手に加工しているのが、豊橋に工場を構えるカネナカだ。1、2日かけて泥抜きをし、臭みを抜いてから包丁でさばく。まずはパリッと皮を焼き、次に腹側を強火で焼くと、いい匂いの白焼きができ上がる。ここから先は蒲焼きの工程だ。高温で蒸し、地元のたまり醤油をベースにしたタレに4回漬け焼きすれば、茶色に照り輝く香ばしい蒲焼きがお目見えする。コクのあるタレが絡むふっくらとしたウナギは、食欲をそそること間違いなし。ごはんが何杯でも進みそうだ。
噂に違わぬ愛知県の養殖の底力。うれしい驚きに満ちた旅だった。


カネナカのウナギを取り寄せれば、
自宅で最高級の蒲焼丼やウナ茶漬が楽しめる
JR 東海が沿線で見つけたその土地ならではの「いいもの」をご紹介する通販サイトです。
こだわりの逸品を産地直送でお届けします。
2017年8月25日更新