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未来インタビュー食篇

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地元の人々の深い理解から、なごやめしの未来が見えてくるなごやめし普及促進協議会 アドバイザー 大竹敏之氏
  • かつて、名古屋の味と言えば海老フライ、と伝えられていた時期がありました。確かに海の幸にも恵まれた土地ではありますが、決してそれだけではないのも事実。歴史や風土、さらにはこの地に生きる人々が育て、守ってきた自慢の味が数多く存在しています。「なごやめし」と呼ばれるその顔ぶれの成り立ちや特徴は?そして未来像は?いまや全国区となった郷土の味の情報を、なごやめしに詳しい大竹敏之氏にうかがいました。

名古屋圏で普段から食べられている郷土料理、それがなごやめし。

  • 「なごやめし」の定義と言っても特に難しいものがあるのではなく、名古屋弁を話すエリアで日常的に食べられている郷土料理のことを言います。10数年前までは、味噌をたくさん使った変わり種と思われていましたが、最近はその認識も改められ、県外の人々も「なごやめしを食べるために愛知に行く」というように、観光目的のひとつとして捉えるようになってきました。
    特筆すべきは、その種類がとても多いこと。味噌煮込みうどん、味噌カツ、味噌おでん、土手煮、手羽先、ひつまぶし、きしめん、台湾ラーメン、あんかけスパ、小倉トーストなど、和食あり中華あり、スパゲティやパンがあり、さらには長い歴史を誇る味あり昭和生まれのものもあり、というように、そのジャンルや顔ぶれは多岐にわたります。町おこしや観光を目的としてつくられたものではなく、これだけご当地ならではの味があるのは、非常に珍しいと言えます。
  • バラエティ豊かななごやめし
    バラエティ豊かななごやめし
  • 古くから作られてきた岡崎の八丁味噌の説明
    古くから作られてきた岡崎の八丁味噌の説明
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豆味噌の旨味成分が育む、深いコクが味の特徴。

数あるなごやめしの中でもよく知られているのが、独特の茶色い味噌を使ったメニュー。他の地域の人々にとってはあまり馴染みがないこの味噌は「豆味噌」と呼ばれ、大豆と食塩だけを原料とする “味噌のルーツ” とも言えるものです。起源は室町時代という説もあり、現在は愛知県、三重県、岐阜県で主につくられています。
全国的に主流の米味噌、九州や西日本の一部でつくられている麦味噌との大きな違いは、甘味、酸味、塩味、苦味とともに、五つの基本味を構成する「旨味」成分が多いこと。豆味噌のひとつであり、愛知県岡崎市でつくられている「八丁味噌」は、2年以上熟成させることで、アミノ酸などに含まれる旨味成分を凝縮しています。
「なごやめしは味が濃い」「塩分が多そう」という声をよく聞きますが、これは大きな誤解。多いのはコクのあるおいしさを育む旨味成分で、塩分はむしろ控えめというのが事実です。沸騰させてもえぐみが出ず、味が損なわれない豆味噌だからこそ、土鍋でグツグツ煮込む味噌煮込みうどんや、タレをしっかり煮込んだ味噌カツが生まれたのです。

  • 八丁味噌
    八丁味噌
  • 独特の石積みされた熟成風景(カクキュー八丁味噌の蔵)
    独特の石積みされた熟成風景(カクキュー八丁味噌の蔵)

豆味噌の製造過程で生まれた、たまり醤油も欠かせない脇役。

豆味噌と同じように東海地方で多くつくられ、なごやめしに欠かすことができない調味料が「たまり醤油」。豆味噌の樽からにじみ出た液体が起源と言われ、やはり旨味成分を多く含むことで生まれる、深いコクが特徴です。
全国にもファンが多い「ひつまぶし」にたっぷりかけられている濃厚なタレは、このたまり醤油をベースにして煮詰めたもの。通常の蒲焼きのタレより旨味が強く、うなぎを細かく刻んでも、定番のお茶漬けにしても食べ応えがある味が楽しめます。
なごやめしは、こうした豆味噌を基に育まれた食文化が発展したもので、その味を語る上では旨味がキーワードになっています。土台となる調味料の味がしっかりしているため、様々な食材を足しても味のバランスが崩れにくく、多彩なメニューづくりが可能でした。なごやめしに数多くのメニューがあるのは、こんなところにも理由があります。

たまり醤油を使った秘伝のタレ(あつた蓬莱軒 本店)
たまり醤油を使った秘伝のタレ
(あつた蓬莱軒 本店)
火力のある炭火にこだわった焼き場(あつた蓬莱軒 本店)
火力のある炭火にこだわった焼き場(あつた蓬莱軒 本店)

地元の人々の深い理解が、これからへの第一歩。

食べることは庶民にとって大きな楽しみです。そして、みんなが好きな味として伝えられてきた食べ物は、庶民の中に根付いた本当の文化。なごやめしは、まさにそういう存在なのです。
しかし、あまりにも当たり前のようにテーブルに並び、食べられているものだけに、地元である愛知県の人々がなごやめしについて、あまり理解していないという様子も見受けられます。
変わらないおいしさを実現しようと、素材選びから製法までをしっかりと守ってきた職人たち、創意工夫によって新しい味をつくり出してきた料理人など、手間暇を惜しまない人々の努力があるからこそ、なごやめしはいまに伝えられています。これらの味を未来につなぐためには、東京をはじめ県外にアピールするより、地元の人々がその成り立ちや、味を支えてきた人々のこだわりを知り、なごやめしについての理解を深めることが大切です。
その上で自分たちの誇りとしてもっと愛し、食べて、本当においしいのはこれだ!と愛知県を訪れた人々に勧められるようになることが、なごやめしにとっての理想的な未来像です。

「豆味噌へのこだわりはもちろん、煮込んでも塩味が出ないように、塩水を使わず手打ちされたうどん、カツオだけでなく、アジを加えて香りを増した出汁など、様々な工夫を重ねて伝統的な味噌煮込みうどんの味が生まれています」
株式会社山本屋本店企画室 永田剛典氏談

  • 生のうどんを茹でずに投入(山本屋本店 大門本店)
    生のうどんを茹でずに投入
    (山本屋本店 大門本店)
  • 豆味噌を独自ブレンドしたあじ味噌(山本屋本店 大門本店)
    豆味噌を独自ブレンドしたあじ味噌
    (山本屋本店 大門本店)
  • 味噌煮込みうどん(山本屋本店 大門本店)
    味噌煮込みうどん
    (山本屋本店 大門本店)

まずは名店の味、次は地域で愛されている店の味を。

なごやめしを初めて体験するなら、やはりそのジャンルの名店を訪れることをお勧めします。味噌煮込みうどんなら、まずは「山本屋本店」「山本屋総本家」へ。伝統的な味が楽しめます。味噌カツなら「矢場とん」。地元ではオーソドックスなカツと味噌の組み合わせを堪能できます。あんかけスパなら「スパゲッティ・ハウス ヨコイ」が定番。とろみのあるソースと極太麺が特徴です。
また、リピーターの方なら、地域で愛されている店の味をぜひ体験してください。お勧めは細麺が珍しい「角丸」の味噌煮込みうどん、カツが隠れるほど味噌ダレがかけられた「とん八」の味噌カツ、コクがある茶褐色のソースが特徴の「からめ亭」のあんかけスパなど。さらに、なごやめしの新顔として「麺屋はなび」が創作した台湾まぜそばが人気を集めています。

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なごやめし普及促進協議会 アドバイザー 大竹敏之氏

なごやめし普及促進協議会 アドバイザー 大竹敏之氏

なごやめしを愛する名古屋在住のフリーライター。雑誌や新聞、WEBなど様々な媒体で名古屋や、なごやめしに関する情報を発信する。愛知県や名古屋市、さらに関連団体が連携してなごやめしの魅力のPRなどに取り組む「なごやめし普及促進協議会」ではアドバイザーを務める。

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